内視鏡室

近年の高齢化社会や疾病構造の変化に伴い、消化器系の腫瘍や炎症疾患は増加の傾向にあり、また予防医学の重要性が認知され、それに加えて電子内視鏡の発達が相まって、診断を目的とした消化器の内視鏡検査はもとより、
低侵襲性の内視鏡治療が著しく増加を続けています。当院では、健診・人間ドック等の内視鏡検査、有所見者に対する診断を目的とする内視鏡検査、ポリープ切除等の内視鏡治療をおこなっています。

当院で受けられる検査

上部消化管内視鏡

  • 《 目的 》:食道・胃・十二指腸の病気を調べる検査です。食道癌・胃癌などの腫瘍や胃・十二指腸潰瘍の診断をします。
  • 《 食事について 》:前日の夕食は普通に取ってください(夜9時以降は食事を取らないで下さい)、飲酒は控えたほうが良いでしょう。当日の朝食及び飲水は出来ません(薬を服用している方は医師の指示を受けて下さい)。
  • 《 検査後 》:検査直後は咽頭麻酔が効いていますので、すぐに飲水はしないで下さい(うがいは大丈夫です)、20~30分間安静を取り、動悸、めまい、冷や汗など体に異変の無いことを確認して下さい。異変があれば直ちに医師や看護師に連絡して下さい。

経鼻内視鏡を導入

経鼻内視鏡は、その名の通り鼻から入れる内視鏡検査(胃カメラ)です。
従来の口から入れる内視鏡は太さが直径9mmでしたが、経鼻用は約5mmと細く、鼻から入れる事が可能となりました。
経鼻内視鏡検査は、内視鏡が舌のつけ根を通らず、のどにも触れないので、従来の内視鏡検査に比べ、検査時の吐き気・不快感が大幅に軽減されます(しかし、個人差があり「従来の内視鏡検査の方が楽」と言う方もいます)。
また、画面を見て会話しながら検査できるという特徴があります。以前に胃内視鏡検査を受けられて苦痛により抵抗感を感じている方は、一度お試し下さい。
※経鼻内視鏡検査に不向きな方もいますので事前に担当医師へ御相談下さい。

経鼻内視鏡カメラ
最下端が経鼻用カメラ

経鼻内視鏡の利点

ピロリ菌ってご存知ですか?

ピロリ菌は人間の胃の中に住んでいる細菌です。1980年代に発見されましたが、この菌が胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となっているということが、近年明らかになってきています。
ピロリ菌の検査は今現在の胃の状態を見るだけでなく、今後の胃の病気を予測するための大切な検査です。検査には、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を使用するものと使用しないものがあります。
ピロリ菌が発見された場合は、除菌治療をおこないます。詳細については、担当医師にお聞き下さい。

大腸内視鏡

  • 《 目的 》:盲腸から直腸までの大腸全域を調べる検査です。大腸ポリープ・大腸癌など腫瘍や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を診断します。
  • 《 食事について 》:検査前2~3日は繊維の多い野菜や海草類の食品は控えていただきます。検査前日は朝から3食とも検査食を摂っていただきます。
    夜8時以降は検査が終了するまで食べられません。水分はかまいませんが、コーヒー、乳飲料、ジュースは取れません。夜9時に下剤を服用していただきます。
    検査当日の食事は検査が終わるまで食べられません。常用中の朝の薬はいつも通り服用し、吐き気止めを追加します。
  • 《 検査後 》:20~30分間安静を取り、動悸、めまい、冷や汗など体に異変の無いことを確認して下さい。トイレへ行って、注入した空気と水を排泄して下さい。
    ポリープ切除を行わなかった方は、検査後の食事、飲水は普通に取ってかまいませんが、数日間は便に出血の無い事を確認して下さい。
    ポリープ切除を行った方は検査後入院していただき、止血剤の点滴及び内服を行い、歩行はかまいませんが安静を取って頂きます。
    翌日便出血の無い事を確認、採血による貧血の無い事を確認、医師の診察を行い、問題が無ければ退院となります。尚組織検査の結果は1~2週間かかりますので、かならず結果を聴きにいらして下さい。
※過去の内視鏡検査(上部消化管・大腸)で苦痛が強かった患者様で特に希望の場合はセデーション(鎮静剤使用)も可能ですのでご相談ください。

上部消火管内視鏡検査を受ける方へ PDF(20kB)→ pdf

大腸内視鏡検査を受ける方へ PDF(24kB)→ pdf

当院で受けられる内視鏡治療

術式 主な適用疾患
ポリペクトミー 消化管ポリープ
止血(クリッピング・エタノール注入) 消化管出血
経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG) 嚥下障害などによる食事摂取困難例